はじめに

屋内測位の現状   GPS測位機能をもつスマートフォン等が一般化し、品質やソフトウエアの処理性能の向上、多様なアプリの展開に伴い、屋外における位置情報サービスは広く普及してきました。その一方で、GPSの電波が届かない屋内や地下、屋外との境界等におけるBLEマーカや無線 LAN 等の機器(以下、タグ)を利活用した測位は、場所の表現方法や属性情報がサービス毎に異なるため、広域的でシームレスな測位が行えないのが現状です。
  このため、日本学術会議は「ユビキタス状況認識社会の構築とG空間データ基盤の整備について」(平成 26 年 9 月 19 日)において、実空間での状況認識を可能にするユビキタス情報インフラの整備を提言しています。また、国土交通省の「ICT を活用した歩行者移動支援の普及促進検討委員会」によりとりまとめられた「オープンデータによる歩行者移動支援サービスの普及促進に向けた提言」(平成 27 年 4 月 17 日)において、統一的な位置情報の表現の必要性が示されています。


位置情報基盤を構成するパブリックタグ情報共有のための標準仕様   このような背景を踏まえ、国土地理院では、国土交通省総合技術開発プロジェクト「3次元地理空間情報を活用した安心・安全・快適な社会実現のための技術開発」、位置情報サービスの普及や一般化を進めるために、場所の表現方法や付加する情報等の規格を定め、だれもが共有可能なプラットフォームから、情報を取得できる仕組みの検討を行っています。このプラットフォームをパブリックタグ情報共有プラットフォーム、プラットフォームに登録されたタグをパブリックタグと呼び、その登録や利用の方法を「位置情報基盤を構成するパブリックタグ情報共有のための標準仕様」(以下、仕様という)にとりまとめています。

運用・利用の取り組み   仕様に基づき、実際にプラットフォームを運用・利用することにより、課題の抽出・整理のために検証を行っていきます。本サイトは、仕様に基づくパブリックタグの登録手順や設置の考え方、情報の利用方法について解説したものです。